こんにちは。Teraです。
今回は真面目な話をさせて頂きます。
先日、メンバーらとツーリング中にウォブル現象に遭遇しました。
■ウォブル現象とは
高速走行時に発生する車体の横揺れ現象のこと。
原因は車体の剛性の低さや重い重量、空力などのバイク特性が関係しており、発生源はリヤ。
ウォブルが発生すると、ライダーの操作では対処が出来ず、ハンドルは左右に大きく振れ、車体も共振して大きく振れてしまいます。その振れは次第に大きくなり、ライダーは振り落とされて転倒に至ります。
・・・思い出すだけでゾっとします。
私の乗る2008年式FLHTC(ツーリングファミリー)は上記の発生原因全てに該当する車種であったのです。
400kgを超える重い重量。
風を防ぐだけの空力を考えられていない大きなカウル(フェアリング)、スピーカーやデッキ等も含めて重い重量がハンドル(フロント)に付いています。
後ろにも左右に重いハードケースが付き、ツアーパックもかなりの重量です。
さらにエンジンはラバーマウント方式。不快な振動を和らげる為に、エンジンがフレーム内で宙吊り状態のため、剛性が弱いです。
なるほど・・・ウォブルが発生しやすいわけです。
私の場合、高速走行中にちょっと速度を出すとお尻の方から(リア)、グネグネとした違和感を感じていました。
その違和感を感じると『危ない』と判断してアクセルを緩めていたのですが、今回は『もうちょっとイケるんじゃないか』とさらにアクセルを回したのがウォブル発生の原因です。
グネグネと違和感だけだったものが、ハンドルの方まで揺れはじめました。最初は軽い揺れだった為『両手で抑え込もう』としましたがまったく無意味でした。
『これはまずい!減速しなくては!』と思いましたが、こういう時のブレーキは危険だと判断し、アクセルを目一杯戻すことにより、エンジンブレーキで減速を試みました。
すると軽い揺れが大きくゆっくりとした揺れに変わりました。
このままでは振り落されてしまう・・・恐怖です。
二輪車は速度があがれば直進しようとする力も増すはず!と思い、今度はアクセルをゆっくりと回していきます。
すると大きくゆっくりとした揺れは小刻みに早く揺れはじめました・・・。
確かに大きな揺れではなくなりましたが、これはこれで振り落されそうです。
万事休す
死を覚悟しました。
高速走行中の転倒、無事でいられるはずはありません。
毎年、ハーレー(ウルトラ等)で高速道路の事故がニュースで流れています。
今回は私か。
速度を落としても、あげてもダメ、揺れを押さえこむこともできない。
どうせ転倒するならば出来る限り速度を落とす努力をしようと考え、最後のあがきに両手に渾身の力をかけ、両足はグっとニーグリップ。アクセルはゆっくりと閉じる感じで徐々に減速させようと試みました。
すると、次第に揺れは収り、通常走行ができるようになったのです。
九死に一生を得るとは正にこういう事でしょう。
トンネル内で横風は無く、晴天で路面状況も良く、回りに車も居ませんでしたので2車線を活用できたこと等、ウォブル解消の好条件が揃っていたことが良かった。
本当に運が良かった。
ウォブルが発生する速度がその車の限界速度です。
いくらスピードメーターが220kmまであろうと、アクセルを回せば速度は出ようと、ウォブルが発生する速度以上は物理的に出せません。
今後は飛ばし過ぎず、剛性をあげる改良を行い、安全運転を心がけます。
今、生きているという事に感謝します。